聴くチカラレベル4

およそ1000時間のケースを重ねて身につく聴くチカラのレベル4は、
どんなクライアントの話でも同じようにフラットな態度で聴くことができ、
必要に応じて問題解決のためのアクションを取ることができ、
さらに危機に対して介入ができるレベルです。

どんなケースでも適切に対応するベテランを想像してください。
もちろん、倫理上別の専門家に任せるべき範囲はリファーするのは当然ですが、
その見極めが正しくなければクライアントを危険にさらすこともあります。
対応力があるカウンセラーは、自分の領分をよくわかっています。

一応、ベテランレベルは1000ケースとしましたが、 これは目安にすぎません。
学会等のスーパーバイザー養成にエントリーするには、
あらゆるケース(グループや指導や研修等も含む)数が2000以上、
うち面談1000ケースを基準としています。

 


☆ベテランレベルの解決力とは?

レベル3の記事で最後に書いたように、
解決力は傾聴力を土台にしてさらに発展させたものと言えます。
心理技法にはいろいろなアプローチがありますが、
最終的にはクライアントの内部の不一致が、
本人の力で「自己一致」できるように促進するということがゴールです。

どんなクライアントの話を聴いても、 その内的世界での葛藤や矛盾を見つけ、
クライアント本人のペース、そして両者の信頼関係を大事にしながら、
葛藤を乗り越え、心理的に成長をさせるとなると、
当然のことながらそのメカニズムに精通している必要があります。

カウンセラーの自己理解

人間の葛藤や矛盾、その解決を理解するためには、
理論等の知識に加えて、
カウンセラー自身が自分の葛藤や矛盾にしっかりと向き合っているかどうかが大きく影響します。

カウンセラーが自分の問題を抑圧していると、
クライアントの話をフィルターなしでそのままに受けとめることがとても困難になります。
特に、劣等感や親とのわだかまり、ジェンダーといったテーマは多くの人に共通です。
カウンセラー自身の「準拠枠(思い込み、フィルタ、色眼鏡)」からクライアントを判断してしまったり、
ネガティブな感情に巻き込まれてしまったり、
無自覚に相互に危機をもたらすことをしてしまうことになるのです。

カウンセラーが自分の内面に向き合いながら、自分を広げていくことは、
カウンセリングの効果を高め、援助力を高めていくことに直結します。


危機対応

心理カウンセリングにおける危機とは、
一番は自傷他害の可能性です。
また、本人の病識がない場合も含め、医療につなげないと症状が悪化するリスクや、
カウンセラー・クライアント間の転移、逆転移などの兆候にも、
早く気づいて適切に対応する必要があります。
予測や状況判断、いざという時に周囲の協力や家族・社会的資源の連携を進める動きを総合して、危機対応と言っています。

契約の形はいろいろですが、
対応を誤ると訴訟などに発展することもありますし、
カウンセラー自身が危険に遭うこともある世の中ですので、
様々なリスクマネジメントをしておきたいものです。

こう書くと、とても高度のようですが、
実際に高度ですが、
1000ケースもしかるべき環境で経験を積めば対応力は自ずと上がります。

困った時はSV(スーパーバイザー)に相談が王道です。
SVは高いしあまり気軽なこと相談できない・・・ という方むけには、
わたしがいるNPO法人でこんな窓口を用意してます。

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